ラブグラ（女性用バイアグラ）

ラブグラを製造しているアジャンタファーマ社(Ajanta Pharma Ltd)は1973年にインドで創業した製薬会社で、2000年にはインドの株式市場に上場を果たし、ジェネリック医薬品に特化した会社です。
最新の技術を備え、WHOによる適正認定基準を受けている会社であり、安全性が高く、広く世界で使用されている信頼できる医薬品を送り出しています。
ラブグラは「女性用バイアグラ」と呼ばれている薬で、女性としての感度を上げたり性的欲求を引き上げる目的で作られており、不感症の女性に適した薬であると言われています。
ラブグラの有効成分は男性用ED治療薬のバイアグラで有名な「シルデナフィル」を配合しています。
シルデナフィルには血管拡張作用があり、この作用によって血流が改善するのですが、女性器周辺の血流も、もちろん改善するので膣からの分泌液が増加することにより不感症が改善するとされています。
女性は更年期の影響でホルモンバランスを崩したり、仕事や家事、育児などでのストレスによって膣からの分泌液が減少する場合があります。
こうなると性的刺激を受けた場合でも分泌液が少ないために性交痛を感じたり、その影響で性交自体がイヤになり不感症になることもあります。
そのような場合にラブグラを使用することで膣からの分泌液が増加しまた性交も受け入れやすくなり、身体的にも精神的にも満たされるようになることが期待できます。
ただし、シルデナフィルを開発したファイザーの見解では、女性が服用することによって不感症などが改善するといった効果は否定しています。
また、国内ではシルデナフィルを有効成分に持つ女性用のラブグラなどの薬品は承認されていません。
購入する場合は、薬の個人輸入を介して入手する必要があります。
ただし血流が良くなることは紛れもない事実ですから、多少なりとも影響はあると思われます。

ラブグラは女性用ですが、バイアグラの有効成分シルデナフィルが含まれており、体内で吸収され効果が出るまでにかかる時間などは同じだと考えればよいでしょう。
シルデナフィルを服用し、血中濃度が最も高くなるのは1時間弱です。
このために性交の1時間ほど前に服用するのが効果的です。
また、ラブグラの有効成分シルデナフィルは3〜5時間ほど効果があります。
なお、シルデナフィルは食事の影響を大変受けやすい薬剤です。
最も効果的な服用方法は、食事の30〜40分前に水とともに服用することです。
しかし、実際には食後に服用することも多いでしょう。
その場合には油分を避け、あっさりとした食事で腹7分目程度に抑えて、食後1〜2時間後に服用すれば食事の影響は、ほぼ回避できるでしょう。
油分を制限する理由は、胃壁や腸壁に油膜を作ってしまい、ラブグラの有効成分シルデナフィルを吸収することができなくなるためです。
なお日本人の体格を考えた場合、シルデナフィルは25mgまたは50mgで十分な効果を得られます。
しかし、ラブグラは100mg錠からしか入手できないと思われます。
そのため、包丁やカッターなどで半分や1/4に割って使用することをお勧めします。

ラブグラの有効成分シルデナフィルは、狭心症の薬の開発を目指して臨床試験を行っていた際に、男性の治験者から勃起の促進効果や持続効果があるとの言葉から効果が分かった薬剤です。
陰茎の勃起にはPDE-5のを阻害する役割が重要なのですが、女性の場合にはこのPDE-5阻害は関係がありません。
シルデナフィルには血管を拡張させて血流を改善する効果があります。
男性でしたら血流が良くなって陰茎の海綿体の動脈から毛細血管に血液による圧力がかかり、その圧力によって勃起を生じます。
女性の場合には女性器周辺の血管に血液が流れ込むことによって、膣からの分泌液が増加します。
一部で言われている、ラブグラなどの有効成分シルデナフィルを服用するとクリトリスが勃起すると言うのは、事実かどうかはわかっていません。
ただ血流が良くなることでクリトリスなどが敏感になるのは事実のようです。
膣からの分泌液が増加すれば性交痛も和らぎますので、性交時の女性の精神的な安定にもつながるでしょう。

元々は世界初のED治療薬として開発されたバイアグラの有効成分シルデナフィル。
同じくラブグラもシルデナフィルを含んでいるため、ラブグラは女性用のバイアグラと言われています。
さてこのシルデナフィルですが、当初は狭心症の薬として開発が進められていました。
狭心症は血管内にコレステロールなどが固まってできるプラークによって、血液の流れが悪くなって起こる疾患です。
この疾患を緩和させるには、血管を広げて血流を良くすることが大事となります。
狭心症の薬としては十分な効果が出ず開発はやめられましたが、その血管拡張作用とその他の作用(PDE-5阻害)によってED治療薬と肺高血圧症の治療薬として使用されています。
なお、ラブグラの有効成分であるシルデナフィルを服用しても、精力剤や媚薬のような効果は出現しません。
あくまで血流を良くする薬であり、性的興奮を促す作用は一切ありません。

ラブグラの有効成分であるシルデナフィルを服用した90%以上の人が副作用を感じています。
その副作用とは、シルデナフィルの血管拡張作用による血流の増加と、それに伴う血圧低下によるものです。
顔のほてりや目の充血、頭痛、鼻詰まりのほか、動悸を感じる人もいるようです。
これらはラブグラの効果出現と一緒に現れ、効果が消滅する頃には副作用も消滅します。
このため服用後にこれらの副作用を感じた場合には、ラブグラの効果が出始めたサインだと思ってください。
ただ、頭痛がひどいと感じられる方もおられるようですから、その場合には市販されている頭痛薬を服用して下さい。
一過性ですが、稀に視覚障害の副作用を発症する場合があります。
まぶしく感じられたり、青と緑色の区別がつかなくなったり、青視症といってまるで青いメガネをかけているように、周囲が青く見えると言った症状です。
一過性のため心配する必要はありませんが、万が一のことを考えラブグラ服用時は自動車の運転は控える方が良いでしょう。
重篤な副作用として、急激な視力低下と場合によっては視力を失ってしまう非動脈炎性前部虚血性視神経症の報告があります。
日本国内ではこの副作用の報告はありませんが、視力の異常に気付かれた場合は直ちに受診してください。

ラブグラの保管は高温多湿や直射日光を避けた場所で、常温で保管すれば問題ありません。
よくお薬を冷蔵庫に入れて保管する方がいますが、そのような必要もありません。
ラブグラをシートから外して保管する場合ですが、まず手を石鹸などできれいに洗い、水気を完全にふき取ってください。
ピルケースなどの容器も水気が無いことを確認してください。
そしてピルケースなど密閉できる容器に入れて保管してください。
錠剤の数が少なく破損する可能性がある場合には、ティッシュペーパーなどを詰めて空間を減らせば破損の可能性は減ります。
ラブグラは製造後2年ほどの有効期間があります。
なお、錠剤を割って使用した場合の、残りの保管については注意が必要です。
必ずラップなどで密封するように包んでください。
これは割った断面はかなり湿気を吸いやすく、劣化が急速に進行するためです。
ラップで包んだ錠剤をピルケースなど外気に触れない容器に入れて保存してください。
割った錠剤は劣化が早く進行しますから、割ってから1〜2週間以内に使用してください。

ラブグラの使用は1日1回、そして前回の使用からは必ず24時間以上空けてください。
ラブグラの有効成分シルデナフィルの血中濃度は5時間程度で半減して、効果を実感できなくなります。
ですが効果が出ないだけで血中にはまだシルデナフィルが溶け込んでいます。
その状態でラブグラを服用すると、血中濃度が必要以上に高くなって血圧の異常な低下を起こすことがります。
場合によっては生命に危機を生ずる事態となりますので、必ず24時間以上の服用間隔をお守りください。
また日本人が服用する場合には、25mgまたは50mgで十分な効果を発揮します。
過剰な摂取は重篤な副作用の危険性が高まりますから注意してください。
【※使用してはいけない場合※】
・ラブグラの成分に対してアレルギー反応を起こしたことがある方。
・併用禁忌薬に指定されている薬剤を使用中である方。
・心臓や心血管の病状があって、性交渉自体を避ける方が良い方。
・重度の肝機能障害を患っている人。
・低血圧の方(最大血圧90mmHg未満または最小血圧が50mmHg未満)
・高血圧で治療により血圧の管理がなされていない方(安静時収縮期血圧170mmHg以上または最小血圧が100mmHg以上)
・6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞のいずれかを患った方。
・網膜色質変性症(進行性の夜盲症・とり目)を患っている方。
上記に記したような方はラブグラを使用してはいけませんのでご注意ください。

有効成分シルデナフィルの安全性については臨床試験によって証明されています。
心臓への負担を疑う方もいらっしゃいますが、シルデナフィル自体に心臓に直接負担をかけるような作用はありません。
しかし、狭心症や不整脈を患っている場合であれば、その疾患への間接的な影響を与える恐れがあります。
シルデナフィルには血管を拡張させて血流を良くする働きがあるために、急激な血圧低下による悪影響や鼓動の不安定化による不整脈の影響があります。
逆に言えば、心臓や血管に疾患が無ければ使用しても特に問題はないと言うことです。
また、併用禁忌薬を使用している方や使用が制限されている状態の方以外の方は、安全にラブグラを使用することができます。
目安としては、3階まで階段を上っても息が切れない人、満員電車で毎日通勤しても問題が無い人と言われています。