レビトラ

レビトラは世界で2番目に誕生したED治療薬で、2001年にドイツのバイエル(Bayer)により開発されました。
日本では2001年に厚労省に承認申請を行い、2004年4月に承認が下りて同年6月より販売されています。
レビトラは薬価基準に収載されておらず自由診療扱いとなっていますので、医療機関によって価格が異なります。
レビトラは処方箋ですので、医師の処方箋が無ければ購入できません。
ですが、今は簡単な問診程度で発売する医療機関が多数を占めているようです。
2004年6月の国内販売開始時には5mgと10mgのレビトラのみが発売されていました。
国内で販売されている最高用量の10mgの錠剤であっても、糖尿病など生活習慣病患者や脊髄損傷患者などが患う勃起不全患者に対しては効果が薄いとの声が医療関係者から上がりました。
その後臨床試験によって、10mgのレビトラを投与して効果が現れなかった患者に対してレビトラ20mgを投与したところEDの改善率が高まり、一方では問題となるようなリスクは高まらなかったために、2007年に認可され発売されるようになりました。
レビトラはバイアグラの欠点だった、食事による影響を極力避けることに主眼を置いたED治療薬とも言われています。
説明書にも標準的な食事では影響がないと書かれているほどです。
またバイアグラの場合は効果出現までの時間が1時間程度かかるのですが、レビトラは服用後15〜30分程度で効果が出現する速効性も特徴です。
作用時間はバイアグラの5〜6時間に対して、レビトラ10mgで5〜6時間、20mgは8〜10時間と効き目が長いことも特徴です。
但し、レビトラの5mgは効果が感じられないと言った声も多くあるようで、取り扱っていない医療機関もかなりあるようです。

レビトラはバイアグラに比べて食事の影響を受けにくい薬だと言われています。
説明書にも標準的な食事では影響がないと書かれているほどです。
レビトラ錠は性行為の1時間前に服用するようにとなっていますが、空腹時に服用すれば20分ほどで効果が実感できる状態となります。
バイアグラでは空腹時に服用しても、1時間ほどの時間が無ければ効果が実感できる状態にはなりませんから、その差は歴然としていると言えますね。
食事の影響を受けないと言われているレビトラですが、実際には空腹時と満腹時とではその効果に違いが見られます。
空腹時はレビトラの効果を実感するまでに20分と言う短時間で作用しますが、満腹時には効果が表れるまでの時間が長くなるとともに、空腹時に服用した時に比べて効き目がう薄くなると言われています。
上にも書きましたが、標準的な食事では影響が出ないのですがこの標準的な食事っていったいどういったものなのでしょうか。
標準的な食事とは1食あたり700kcalで、総エネルギー量の30%以内の脂肪、となっているようですね。
牛丼の並盛くらいがボーダーラインのようで、すき家ならセーフだけど吉野家だとアウトと言った感じです。
総エネルギー量に占める脂肪の量が30%と言うことは、やはり脂っこいものは避けてあっさりとしたお料理、そしてやはり腹7分目くらいで抑えることがレビトラの効果にとって重要なのではないでしょうか。
出来れば空腹時にレビトラを服用し、どうしても食事をする場合には、レビトラを服用し体内へ吸収されたであろう10〜20分後に軽い食事を取るのが、最も効果的にレビトラの威力を発揮させられる使用方法でしょう。

レビトラはバイアグラなどとともにPDE5阻害薬と呼ばれています。
これは勃起する仕組みから言われているもので、性的な刺激や興奮を自律神経を介して脳から陰茎に伝えられると同時に、体内には一酸化炭素が出されます。
一酸化窒素が陰茎の海綿体の血管細胞に放出されると、GMP(サイクリックグアノシン1リン酸)という物質が作り出されます。
GMPは血管拡張させ血液の流れをよくする働きがあるため、陰茎の海綿体にも血液が流れ込むことで勃起します。
これに対して海綿体内には豊富にPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素が存在しています。
PDE5はGMPを取り込んで破壊する働きがあり、興奮状態が続きGMPの放出が続き破壊される量より多ければ勃起し続けます。
逆に興奮が収まってくると一酸化窒素も作り出されずにGMPの放出も減少していきます。
こうなると破壊される量の方が多くなり勃起がおさまる、こういう仕組みとなっています。
EDの原因はさまざまであり、生活習慣病やストレス、加齢、外的要因など様々です。
レビトラは勃起を維持させるのには邪魔となるPDE5をを阻害します。
また一酸化窒素の放出を促す作用もあるので、結果的にGMPを増やす作用にもつながります。
様々な原因によるEDを、PDE5を阻害することによって治していくのがレビトラです。
但し、レビトラには性的な興奮を増長させたり性欲を増強させる効果はありません。
またレビトラを服用しただけで勃起したり、勃起し続けることもありません。
あくまで性的興奮によってGMPが作られた際に、PDE-5を阻害するお薬なのです。

レビトラの主成分はバルデナフィル(Vardenafil )です。
レビトラ10mg錠にはバルデナフィルが10mgが、レビトラ20mg錠にはバルデナフィルが20mg含有しているという意味です
このバルデナフィルはバイアグラの主成分シルデナフィルに比べて、水に溶けやすいという性質を持っています。
早く溶けるという性質が、バイアグラに比べて効果が現れる時間が早いという特性に現れているのです。
データによると、服用後の血中濃度が最も高くなる時間は平均で48分となっていますから、この時間あたりに効果が最も高くなることを表しています。
ちなみにバイアグラ服用後の血中濃度が最も高くなる時間は平均で1時間、シアリスでは3時間となっています。
また、血中濃度が半分以下となる半減期はバイアグラの3〜4時間に比べ、レビトラでは3時間半〜5時間半となっており、バイアグラに比べ効果が早く出る割に効果が半減する時間も長いという、使い勝手の良い薬となっています。

レビトラにはどのような副作用があるかを見ていきましょう。
レビトラには血管を拡張させる作用があり、血管を拡張させることによって血流量が増えるために血圧低下を促す作用があります。
血流が良くなることによって顔がほてったり、目が充血したりします。
これらの副作用は、レビトラを服用した大半の方が経験するもので、バイアグラと同じものです。
レビトラが効果を発揮し始めた合図だと思える程度の軽度なものですから、特に心配する必要はありません。
またバイアグラよりこれらの副作用が緩いと感じる人もいるようです。
また頭痛や動悸、そして鼻づまりなども副作用としてよく出現します。
頭痛がひどい場合には、市販の痛み止めを服用しても問題はありません。
なおこれらの副作用は、レビトラが効果を発揮している時間を過ぎると自然と治まります。
重篤な副作用としては、血圧の急激で大幅な低下があります。
通常の使用量であれば問題が起こることはかなり少ないのですが、短時間内での摂取や過剰摂取を行った場合には危険性がかなり高まります。
過剰摂取により心臓への酸素供給に問題が起こり狭心発作を起こすことがあります。
またレビトラ服用時にグレープフルーツを食べることは禁止されています。
グレープフルーツには薬の血中濃度を上昇させる作用があり、他のED治療薬に比べ効果が早く出るレビトラの効果をさらに上昇させる危険性があります。
レビトラの主成分であるバルデナフィルは血圧を低下させる作用がありますから、効きすぎた場合には血圧の急激で大幅な低下によって生命が危険にさらされることがあります。
くれぐれもレビトラ服用時にはグレープフルーツを食べないように注意してください。
また持続勃起症(プリアピズム)を発症する場合があります。
4時間以上の痛みを伴う勃起が続いた場合には、直ちに受診してください。
陰茎組織が損傷したり、場合によっては勃起機能を完全に喪失することがあります。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は2007年に突発性難聴になる恐れがあるとED治療薬製造各社に警告し、ラベルや使用上の注意書きにそのリスクを詳しく記載するよう求めています。

レビトラは手軽に勃起不全を好転させられるお薬ですが、併用禁忌薬が比較的多く指定されています。
まず狭心症や心不全など心臓の病気の治療に用いる硝酸薬との併用は禁止されています。
硝酸薬は一般的にニトロと呼ばれる薬で、飲み薬だけでなく貼り薬や注射剤、スプレーなど様々な形態のものがあるので特に注意が必要です。
併用することで血圧を過剰に下げてしまうため、硝酸剤を常用している人はレビトラは使用できません。
HIV治療薬にも併用禁忌薬があります。
インビラーゼカプセル200mg(ノービア・ソフトカプセル100mg)
インビラーゼ錠500mg(ノービア・リキッド)
カレトラ錠(フォートベイスカプセル)
カレトラ・ソフトカプセル(ブリジスタ錠300mg)
カレトラ・リキッド(レイアタッツカプセル150mg/200mg)
クリキシバンカプセル/200mg(レクシヴァ錠700)
スタリビルド配合錠
テラビック錠250mg
これらの薬を常用している人がレビトラを服用すると、レビトラの血中濃度が上昇し危険なため服用できません。
水虫などカビによる感染症の治療に用いる抗真菌薬も、併用することでレビトラの血中濃度が上昇し危険なために使用できません。
イコナゾンカプセル50(イトラリール錠50/100)
イデノラートカプセル50mg(イトリゾールカプセル50)
イトラートカプセル50(イトリゾール注1%)
イトラコナゾール錠50/100「MEEK」(イトリゾール内服液1%)
イトラコネート錠50mg(トラコナ錠50mg/100mg)
イトラコンカプセル50
ケトコナゾール(外用薬は除く)
抗不整脈薬とレビトラを併用すると、心臓の働きに異常をきたす可能性が高いためにレビトラは使用できません。
副作用の項にも記しましたが、レビトラ服用時にグレープフルーツを食べるとレビトラの血中濃度が高くなりすぎて危険です。
レビトラ服用時はグレープフルーツを絶対に食べないでください。

レビトラの保管方法ですが、特に神経質になる必要はありません。
高温多湿と直射日光を避けて通常の室内で保管すれば問題ありません。
使用期限は2年程度です。
レビトラをシートから出した場合の保管方法ですが、ピルケースなどの中で保管し、高温多湿な場所だったり直射日光に当たらなければ全く問題はなく、使用期限も同じ2年だと思っていただければ良いです。
レビトラ錠は10mgと20mgが一般的に使用されています。
ところが10mgと20mgの価格差はわずかなので、20mgを購入してピルカッターなどで半分に割って使用する方もたくさんおられます。
おそらくですが、レビトラはやや湿気に弱い錠剤のようで、割った場合は割り口から湿気を吸ってポロポロと崩壊していく感じになります。
本来は割っての使用はお勧めできませんが、どうしても割って使用する場合には、割って余った錠剤をラップで厳重に密封しピルケースなどに入れて保存してください。
割った場合の使用期限は特に定められていませんが、1週間以内に使用することが望ましいでしょう。

レビトラの使用に関する注意点ですが、服用は必ず1日1回、そして他のED治療薬を含む前回の服用から24時間以上は空けてください。
また他のED治療薬と併用しないでください。
またレビトラはバイアグラほどではないにしても、偽物もたくさん流通しています。
劣悪な製造環境において製造されてたり、主成分であるバルデナフィルが全く含まれていなかったり、人体に悪影響を及ぼす危険な物質が混ざっていることも多くあります。
主に中国や北朝鮮などで製造されていると言われています。
このような偽物を掴まされないようにするには、国内の医療機関において処方してもらうのが一番ですが、金額の問題で難しいなどの理由もあるでしょうから、そのような場合には信頼できる個人輸入代行業者を利用するべきでしょう。
またレビトラの使用ができない人もいます。
レビトラ(バルデナフィル)を使用してアレルギーを起こした人。
心筋梗塞や動脈硬化など心血管に問題があり、性行為を行うこと自体に問題がある人。
重い肝機能障害がある人。
先天的に不整脈がある人や抗不整脈薬を使用している人。
最近6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞を起こした人。
血液透析が必要な重篤な腎障害を患っている人。
低血圧で最大血圧が90mmHg以下の人。
高血圧で最大血圧が170mmHg以上または最小血圧が100mmHg以上の人。
不安定狭心症を発症している人
抗ウイルス薬(HIV治療薬)や抗真菌薬(内服)を使用している人。
網膜色素変性症(進行性の夜盲・とり目)を発症している人。
こういった症状がある人はレビトラを使用することができません。

中高年になると、ED治療薬を使ってみようかと考える人が多くなってきますね。
そこで気になるのがレビトラの安全性です。
レビトラの安全性に関しては各国の健康保険関係の省庁などで厳密に調べられ、併用禁忌薬など一部の薬との併用時以外は安全性が認められています。
日本国内ではレビトラ発売当初は20mgは発売していませんでした。
ところで糖尿病など生活習慣病患者、脊髄損傷患者、骨盤内を手術した人などは、各症状によってEDとなってしまうことが多くありました。
これらの患者が当時国内で発売されている最高用量のレビトラ10mgをしゆしても、しばしば十分な効果を得られないことがあり医療関係者の間で問題となっていました。
そこで臨床試験として糖尿病を有する勃起不全患者や脊髄損傷を有する勃起不全患者を対象として実施し、レビトラ20mgを投与した際の有効性と安全性が確認されました。
難治性と言われるED患者への投与においても、使用上の注意を順守して使用する限りは安全であると認められたのです。
このようにレビトラは使用上の注意や併用禁忌薬の順守によって、安全に使用できるED治療薬であると証明されています。