サビトラ（レビトラジェネリック）

サビトラはインドに本拠を持つサバメディカ社(Sava Medica Ltd)によって製造・販売されている、ED治療薬レビトラのジェネリック医薬品です。
サバメディカ社は主にジェネリック医薬品を製造している会社で、低価格と安全性が評価された薬を提供しています。
インド国内だけでなく、アメリカやカナダなどにも製造工場を持ち、当然ですが各国の保健機関から承認を受けて稼働しています。
勃起不全薬の他にも、外部寄生生物用薬、角結膜炎剤、心臓病薬、害虫駆除剤、抗炎症抗真菌薬といった薬の製造を得意としています。
サビトラの有効成分「バルデナフィル」は、まだ特許が切れていないため、日本や欧米各国ではジェネリック医薬品を作ることができません。
では、なぜレビトラのジェネリック医薬品が存在するのか? というと、インド国内の特許法が他の国とは違うためです。
近年になってインドの特許法でも成分特許が認められるようにはなりましたが、まだかなりハードルが高く、一部の薬剤しか成分特許が認められていない状況です。
しかし製法特許は以前から認められているので、同じ成分を使ったお薬でも作り方が違えば特許は侵害していない、という考え方が成り立ち、レビトラのジェネリック医薬品サビトラを製造することができるのです。
サビトラの有効成分バルデナフィルは、バイアグラの欠点だった食事による影響を極力小さくし、また服用後効果が出るまでに必要な時間を大幅に短くしたのが特徴です。

サビトラの有効成分バルデナフィルは水に溶けやすく、胃の中での吸収時間も早いのが特徴です。
そのためバイアグラやシアリスに比べて、血中濃度が最高値になるまでの時間が短く、服用後、効果が出るまでに必要な時間も短いのです。
服用後20分ほどで効果が出始めて、最高血中濃度に達するのは1時間以内です。
このことから性行為の40〜50分前に服用するのが最も効果的であることが分かります。
バイアグラの欠点だった、食事の影響を極力受けないようにされたバルデナフィルですが、影響を受けないとされる食事は標準的なものとなっています。
この標準的な食事というのが700Kcal以下で、総カロリーに占める脂質の割合が30%以下となっています。
栄養学的には脂質1g=9Kcalです。
ですので、食事の総カロリー×30%>脂質の重量×9で求めることができます。
すき家の中盛牛丼は695Kcalで脂質が21.9gです。
695×30%=208.5
21.9×9=197.1
695×30%>21.9×9
となりますから、すき家の牛丼の中盛の食事は、サビトラの作用効果には影響を与えないと言うことになります。
脂質を制限している理由ですが、脂質は胃壁や腸壁に油膜を作ることでサビトラの有効成分バルデナフィルの吸収を阻止してしまうのです。
このために脂質の量を制限しています。
しかし、空腹時に服用する方が効果が出るまでにかかる時間が短く、また確実に効果も出るのが実情です。
ですので食事の20分ほど前の空腹時に水と一緒に服用するのが最も確実な方法となります。
またサビトラの20mgを服用した場合には8〜10時間ほどの効果時間がありますので、食事前の服用ならば特に問題ないでしょう。
それに体内へ吸収してからの食事ですから、カロリーや脂質をあまり気にする必要が無いことも良い点だと思います。
食後に服用する場合ですが、標準的な食事ならば問題ないとはされていますが、あっさりとした食事を腹7分目くらいで抑え、食後しばらくしてからの服用の方がより効果が高く出現します。
サビトラを服用することでアルコールの回りが非常に早くなります。
元来、アルコールはEDに影響を与えるものですから、控えめにする方が良いでしょう。

サビトラの有効成分バルデナフィはPDE-5阻害薬と呼ばれています。
勃起の仕組みを見ながら、バルデナフィのPDE-5阻害薬としての作用を見ていきます。
性的興奮を感じると、脳から自律神経を通り陰茎へと伝えられます。
この際に一酸化窒素が放出され、陰茎の動脈が緩みます。
緩むことで血液が流れ込み、毛細血管にも血液が流れ込むことで圧力がかかり勃起します。
勃起すると静脈が圧迫されて血液が出て行きにくくなり、勃起が維持されるようになります。
この時にcGMP(サイクリックグアノシン1リン酸)と言う物質が作られ、体内で作られる血管拡張剤の役割を果たしています。
一酸化窒素の放出によってcGMPが作られていくのです。
陰茎の海綿体にはPDE-5(ホスホジエステラーゼ5)が豊富に存在しています。
このPDE-5はcGMPを取り込み中和する働きを持っています。
射精するなどして性的興奮が鎮まると、一酸化窒素の放出も無くなりcGMPも増えなくなります。
そしてPDE-5がcGMPを中和していくことで血管の拡張もおさまり勃起が収束するのです。
EDの人は一酸化窒素の放出が少なくcGMPの増加がやや少ないため、PDE-5の働きで中和されて勃起しにくくなっているのです。
このPDE-5の働きを阻害する働きがあるサビトラを服用することで、cGMPの働きを活発化させて勃起させる、これがサビトラの効果なのです。
ですので、サビトラを服用したからと言って直ちに勃起するわけではありません。
あくまで性的興奮があって、勃起しにくい状態をサポートして勃起に導くお薬なのです。

サビトラの有効成分はバルデナフィルです。
このバルデナフィルは2001年にドイツのバイエル社によって開発され、日本では2001年に厚労省に承認申請を行い、2004年4月に承認が下りて同年6月より先発薬のレビトラとして発売されています。
バイアグラは世界中で大ヒットとなった薬品ですが、食事の影響を受けやすいと言う欠点がありました。
そこでバルデナフィルは、標準的な食事のあとの服用では影響が出ないよう作られました。
ちなみに標準的な食事とは、700kcal以下の食事で脂質はカロリーの30%以下を言います。
またバルデナフィルは水に溶けやすい性質を持っています。
胃の中でも早く溶けることで吸収も早くなり、バイアグラに比べて効果が出る時間がかなり早くなっています。
空腹時に服用した場合、早い時には15分ほどで効果を発揮しだし、血中濃度が最も高くなる時間は平均で48分、半減期は3時間半〜5時間半となっています。
ちなみにバイアグラでは早い時には30分ほどで効果が出始め、血中濃度が最も高くなるのが平均で1時間、半減期は3〜4時間です。
食事の影響を受けにくく、効果が出るのが早く、さらに持続時間も比較的長い。
バルデナフィルは、そういった点で使いやすいED治療薬だと言えますね。

サビトラには血管を広げる作用があり、広がることで血流が増えて血圧は低下します。
これらの作用によって、顔のほてり、目の充血、頭痛や鼻詰まり、そして動悸などを感じる人もいます。
それら諸症状は全てサビトラが持つ「血管拡張作用」によるものです。
もし副作用を感じた場合には、サビトラが効果を出し始めた合図だと思っていただければ良いと思います。
バイアグラでも同じような副作用を感じますが、サビトラの副作用の方が軽いと感じる人もいるようです。
また頭痛がひどいと思うときには、市販の頭痛薬を服用するのも良いでしょう。
サビトラの効果がなくなりだすと、上記の副作用もおさまってきます。
重篤な副作用としては、急激で大幅な血圧の低下がみられます。
通常の使用量で問題が出ることは稀なのですが、短時間内で服用する、過剰な量を服用するなどの場合に引き起こされることが大半です。
急激で大幅な血圧低下は生命の危機に繋がりますので、服用の用法用量は守りましょう。
海外での報告ですが、持続勃起症(プリアピズム)の発症事例があります。
勃起し続けると陰茎の組織が破壊され、場合によっては勃起機能を完全に失ってしまうこともあるのです。
4時間以上の痛みを伴う勃起が続く場合には、至急医師の診断を受けてください。
サビトラの服用時にグレープフルーツを食べると、サビトラの成分の血中濃度が高くなりすぎることがあります。
大幅な低血圧を招くことになり、生命が危険にさらされることがありますので、サビトラ服用時には絶対にグレープフルーツを食べないようご注意ください。
2007年にはアメリカ食品医薬品局(FDA)により、突発性難聴になる恐れがあるとの報告もあります。

サビトラには比較的多くの併用禁忌薬が指定されています。
下記に掲げる薬剤を使用している場合にはサビトラの使用は厳禁となります。
硝酸剤は狭心症や心不全といった心臓や血管の病気の治療に用いる薬剤で、一般的は「ニトロ」と呼ばれている薬です。
サビトラと併用すると血圧を急激に下げてしまい、命の落としかねない状況になります。
アイスラール錠20mg(ニトプロ持続静注液6mg/30mg)
アイトロール錠10mg/20mg(ニトプロ注)
アイロクール錠20(ニトラステープ)
亜硝酸アミル「三共」(ニトルビン錠5)
アパティアテープ(ニトロールRカプセル20mg)
アンタップR(ニトロール持続静注25mgシリンジ)
イソコロナールRカプセル(ニトロール錠5mg)
イソニトール錠20(ニトロールスプレー)
イソピット(ニトロール注5mg/50mg/100mg)
イソモニット錠20mg (ニトロール注5mgシリンジ)
エスタット錠5mg(ニトロール注バッグ50mg/100mg)
L-オーネスゲン錠(ニトログリセリン錠山川)
カリアントSRカプセル20mg(ニトログリセリン舌下錠0.3mg[NK])
冠動注用ミリスロール0.5mg/10mL(ニトログリセリン注25mg/50mg[HK])
コバインター錠5mg(ニトロダームTTS)
コンスピット錠(ニトロバイド錠5mg)
サークレス注0.05%/0.1%(ニトロペン舌下錠0.3mg)
サワドールL錠(ハイパジールコーワ錠3/6)
サワドールテープ40mg(バソレーター注5mg/注50mg)
ジアセラL錠/L錠20mg(バソレーターテープ27mg)
シグマート錠2.5mg/5mg(バソレーター軟膏)
シグマート注2mg/12mg/48mg(バンリール錠20mg)
シグランコート錠2.5mg/5mg(フランドル錠20mg)
ジドレンテープ(フランドルテープ40mg)
シベラント錠5mg(ヘルピニン-Rカプセル)
硝酸イソソルビド錠[ツルハラ](ミオコールスプレー0.3mg)
硝酸イソソルビドテープ[EMEC](ミオコール注5mg/50mg)
シルビノール錠5mg(ミニトロテープ27mg)
ステンベルガー錠5mg(ミリステープ5mg)
ソプレロール錠20mg(ミリスロール注)
タイシロール錠20mg(メディトランステープ27mg)
ニコランジス錠2.5mg/5mg(リファタックL錠)
ニコランタ錠5(リファタックテープ40mg)
ニコランマート錠5mg
水虫などカビによる感染症の治療に用いる抗真菌薬にも、血中濃度が上昇し危険な薬剤があります。
いわゆる塗り薬については禁忌薬に指定はされていません。
イコナゾンカプセル50(イトラリール錠50/100)
イデノラートカプセル50mg(イトリゾールカプセル50)
イトラートカプセル50(イトリゾール注1%)
イトラコナゾール錠50/100「MEEK」(イトリゾール内服液1%)
イトラコネート錠50mg(トラコナ錠50mg/100mg)
イトラコンカプセル50
抗不整脈薬とサビトラを併用すると、鼓動が不安定になり大変危険な状態になります。
アジマリン錠「ヨウシン」(タイリンダーカプセル)
アミオダロン塩酸塩錠100mg「サワイ」(チヨバンカプセル50mg/100mg)
アミオダロン塩酸塩錠100mg「サンド」(ノルペース50mg/100mg)
アミサリン錠125mg/250mg(ノルペースCR錠)
アミサリン注(ピメノールカプセル50mg/100mg)
アンカロン錠100(ファンミルR錠)
アンカロン注150(ファンミルカプセル)
ジソピラR錠(リスピンR錠150mg)
ジソピラミドカプセル100mg「タイヨー」(リスピンカプセル100mg)
ジソピランカプセル(リスモダンR錠150mg)
シノベジール錠50mg/100mg(リスモダンカプセル50mg/100mg)
シベノール錠50mg/100mg(リスモダンP静注50mg)
シベノール注射液(リスラミドR錠150mg)
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg/100mg「サワイ」(リゾラミドR錠)
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg/100mg「タナベ」(リゾラミドカプセル)
シンビット静注用50mg(硫酸キニジン錠)
ソタコール錠40mg/80mg(硫酸キニジン錠「ホエイ」)
ソピラート「カプセル」/カプセル100mg(硫酸キニジン「ホエイ」)
HIV治療薬にも併用禁忌薬があり、併用するとサビトラの血中濃度が高くなりすぎるので危険です。
インビラーゼカプセル200mg(ノービア・ソフトカプセル100mg)
インビラーゼ錠500mg(ノービア・リキッド)
カレトラ錠(フォートベイスカプセル)
カレトラ・ソフトカプセル(ブリジスタ錠300mg)
カレトラ・リキッド(レイアタッツカプセル150mg/200mg)
クリキシバンカプセル/200mg(レクシヴァ錠700)
スタリビルド配合錠
テラビック錠250mg
肺高血圧症治療のアデムパス錠1mg/5mg/25mgと併用すると、相乗効果によって血圧が異常低下する危険性があります。
また先にも書きましたが、サビトラ服用時にはグレープフルーツを食べることは危険ですのでやめましょう。

サビトラの保管方法ですが、特に神経質になる必要はありません。
高温多湿と直射日光を避けて常温で保管すれば問題ありません。
冷蔵庫での保存は必要ありません。
サビトラをシートから出した場合の保管方法ですが、ピルケースなど密封できる容器で保管し、高温多湿な場所だったり直射日光に当たらなければ全く問題はありません。
これらの保管方法ですと、製造後の有効期限は2年です。
10mg錠相当で十分な効果を発揮する方もおられるでしょうから、20mg錠を半分に割って使用する方も多いと思います。
サビトラは湿気に弱い錠剤のため、割った場合、割り口から湿気を吸ってポロポロと崩れていく感じになります。
本来は割っての使用はお勧めできませんが、どうしても割って使用するといった場合には、割って余った錠剤をラップなどで厳重に密封しピルケースなどに入れ保存してください。
割った場合の使用期限は特に定められていませんが、湿気に弱い錠剤であることを勘案して、割ってから1週間以内に使用することが望ましいでしょう。

サビトラは1日1回のみの服用となっております。前回の服用(他のED治療薬を含む)から24時間以上は必ず空けてください。
※過剰な摂取は血圧の急激で異常な低下を起こすなど、人体に大変な悪影響を及ぼし、場合によっては生死にかかわる状態となります。
※併用禁忌薬との併用は厳禁ですので、使用前に一度ご確認ください。
また、こういった症状がある方もサビトラを使用することができませんのでご注意ください。
【サビトラを使用できない場合】
・サビトラ(バルデナフィル)を使用して過去に発疹や蕁麻疹などアレルギー症状を起こした人。
・心筋梗塞や動脈硬化など心臓に問題があり、性行為自体を行うことに問題がある人。
・重い肝機能障害がある人。
・不整脈や抗不整脈薬を使用している人。
・最近6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞を発症した人。
・血液透析が必要なほどの腎障害を患っている人。
・低血圧で最大血圧が90mmHg以下の人。
・高血圧で最大血圧が170mmHg以上または最小血圧が100mmHg以上の人。
・不安定狭心症を発症の人。
・抗ウイルス薬(HIV治療薬)や抗真菌薬(内服薬)を使用している人。
・網膜色素変性症(進行性の夜盲・とり目)を発症している人。

サビトラの有効成分であるバルデナフィルは欧米各国や日本において様々な臨床試験を行い、その安全性は確認されています。
副作用も軽度のものが多く、副作用の発症率もバイアグラの有効成分であるシルデナフィルより低いとされています。
重篤な副作用の原因となる併用禁忌薬との併用は避けるとともに、用法や用量を守ってしようすることが重要となります。