フォーゼスト（シアリスジェネリック）

フォーゼスト(Forzest)はインドの製薬会社サン・ファーマ社(Sun Pharmaceutical Industries Ltd.)が製造販売するED治療薬シアリスジェネリック医薬品です。
以前フォーゼストはランバクシー社(Ranbaxy Laboratories)が製造していましたが、2014年にサン・ファーマ社に買収されたために現在はサン・ファーマ社が製造しています。
なおランバクシー社が製造していたフォーゼストの錠剤は青くてやや細長い形でしたが、サン・ファーマ社が製造するようになってからは黄色くて丸い形になっています。
薬剤の性能は変化していないようですのでご安心ください。
サン・ファーマ社の製品は世界150か国以上の国々で使用され、世界の6大陸に47の製造施設を構え、従業員数は30000人以上、インド国内での売り上げは第1位の製薬会社であり、ジェネリック医薬品の分野では世界第5位の売り上げを誇る大企業です。
また日本にも2012年にサンファーマ株式会社(Sun Pharma Japan Limited)を設立し医薬品及びその原材料の製造、輸入、販売を手掛けていますが、シアリスの特許はまだ日本国内で切れていないために、フォーゼストを国内の医療機関で処方して入手することはできません。

フォーゼストの有効成分であるタダラフィル(Tadalafil)は、食事の影響を受けにくいED治療薬だと言われています。
しかし実際には800kcal以上の食事を摂ると影響が出ると言うデータが、フォーゼストの先発医薬品であるシアリスの臨床試験を行ったイーライリリーによって明らかになっています。
800kcal以下の食事の目安ですが
吉野家の牛丼並盛で669kcal、大盛だと929kcal、豚丼の大盛で788kcal。
ガストのチーズインハンバーグは757kcal。
800kcal以下の食事となると、やはりやや気を付けて食事を摂ることが必要になるでしょう。
フォーゼストの効果を最大限に発揮させるためには、やはり空腹時に服用することが一番です。
服用後効果を実感できるまでには早い人では30分程度ですが、一般的には3〜4時間程度かかります。
またフォーゼストの最大の特徴はその作用時間の長さで、10mg相当で24時間、20mg相当では36時間と言う長時間であり、金曜日の夕方に服用すれば日曜日のお昼まで効果が持続することから、別名ウィークエンドピルの名を持つほどです。
ですので性行為を行う3時間以上前の空腹時に、水やぬるま湯とともに服用するのが効果的であると言えます。
フォーゼスト服用後に食事をする場合ですが、服用から食事の時間までは30分から1時間程度は空けることが望ましいです。
これはフォーゼストが十分体に吸収されて、食事の影響を出さないようにするためです。
食後にフォーゼストを服用する場合ですが、基本的には2時間以上空けてください。
そして脂っこい食べ物を避けてあっさりとしたものを、腹7分目程度に抑えることが重要です。
あっさりとした食べ物は2時間程度で消化してしまうので、食後にフォーゼストを服用する場合に十分薬剤が体に吸収されるようにするためです。
また脂っこい食べ物は胃壁や腸壁に油膜を形成して薬剤の吸収を阻止してしまうからです。

勃起するための順序は、まず性的興奮を脳から神経を通って陰茎へと伝える事から始まります。
この際に体内細胞から一酸化窒素が陰茎海綿体へと放出され、そこでcGMP(サイクリックグアノシン1リン酸)が作り出されます。
cGMPには血管拡張作用があり、陰茎の動脈が拡張されることで血液が大量に流れ込んで、陰茎海綿体にも血液が充満してその圧力によって勃起するのです。
勃起することで陰茎海綿体の静脈が圧迫されて塞がれてしまい、陰茎海綿体の血液が静脈を通って流れ出なくなることから勃起を維持することができるのです。
ただし勃起状態が続くのは弊害もあるため、興奮状態がおさまると勃起は収束します。
陰茎海綿体にはPDE5(ホスホジエステラーゼ5、phosphodiesterase5)という酵素があって、このPDE5はcGMPを取り込んで中和して血管拡張作用を抑えることで陰茎海綿体への血液の流れを抑制し、これに伴って静脈への圧迫が解放されて陰茎海綿体の血液が流れ出て勃起がおさまるのです。
この勃起をさせないようにする働きがあるPDE5の働きを阻害する役目が、フォーゼストの有効成分タダラフィルにはあるのです。
EDは糖尿病や高血圧と言った生活習慣病によって動脈硬化を引き起こして血管内が狭められるために起こったり、日頃のストレスや睡眠不足などなど様々な要因が組み合わさって起こります。
フォーゼストを服用することで血管拡張作用が起きるとともに、勃起の妨げとなる酵素PDE5の働きを阻害することで勃起に至るようサポートするのです。

フォーゼストの有効成分はタダラフィルです。
タダラフィルの特徴は作用効果時間が他のED治療薬に比べて相当長いことです。
タダラフィルを服用して血中濃度が最高値になるのが3時間後、血中濃度が半減するのは14時間半後と言うデータが出ています。
バイアグラの血中濃度が半減するのは3〜4時間後、レビトラの半減期は3時間半から5時間半後ですから、フォーゼストの有効成分タダラフィルの効果がいかに長く続くかがお分かりいただけることでしょう。
またタダラフィルは半減期から消失に至るまでの時間も大変ゆっくりで長く、この特徴から10mgを服用した場合の作用有効時間は24時間、20mgの場合は36時間もの長時間有効なのです。
ED治療薬以外でも肺動脈性肺高血圧症の治療薬レバチオ、前立腺肥大に伴う排尿障害改善薬のザルティアと言う名称で使われており、血管拡張作用とPDE5阻止作用、そして1度の服用で長時間有効であるその特徴を生かした利用もされているのです。

フォーゼストの有効成分タダラフィルには血管拡張作用があり、血流を良くすることで血圧を下げる効果もあります。
このことが副作用として頭痛や顔の赤み、鼻詰まり、筋肉の痛みとなって出現することがあります。
バイアグラでは半数近くの人が副作用を感じるのに対して、フォーゼストの有効成分タダラフィルでは27%ほどの人しか副作用を感じないようです。
バイアグラに比べてフォーゼストはゆっくりと効果が現れるため、副作用を感じにくいのかもしれません。
上記のような副作用を感じた場合には、フォーゼストが効き始めた証拠程度に考えておけば問題はなく、血中濃度が半減する頃までにはこれらの副作用は消失します。
また一過性ですが視覚障害が現れるという報告もあります。
少しの明かりをまぶしく感じたり、青色のメガネをかけて周囲を見ているような見るものすべてが青っぽく見えると言った症状ですので、フォーゼストを服用する場合には自動車の運転は特に注意した方が良いでしょう。
重大な副作用としてはアレルギー症があります。
発疹、じんましん、顔面浮腫、はく奪性皮膚炎、スティーブジョンソン症候群などで、異変を感じた場合には直ちに医師を受診してください。
また持続勃起症(プリアピズム)といって痛みを伴って勃起し続ける症状が出る場合があります。
陰茎組織損傷や勃起機能を喪失してしまう原因になりますので、4時間以上勃起し続ける時は至急医師を受診してください。
ただ重篤な副作用は稀であり、他のED治療薬に比べると副作用が少ない薬剤です。
用法や用量を守って服用するようにしましょう。

フォーゼストは高温多湿な場所や直射日光が当たる場所を避け、常温で保管してください。
冷蔵庫に入れる必要はありません。
シートから外れた錠剤は、ピルケースなどに入れて保管してください。
ピルケース内に空間があって錠剤が破損する恐れがある場合には、ティッシュペーパーを詰めるなどして破損しないように保管してください。
また錠剤をピルカッターなどで半分に割って服用した場合の残りの錠剤の保管方法ですが、必ずラップで巻いて空気に触れないようにしてください。
割った断面はコーティングされておらず湿気を大変吸いやすい状態となっています。
湿気を吸うと錠剤がポロポロと欠けたり、薬剤の性能が著しく劣化する原因となるためです。
ラップで巻いた錠剤はピルケースなどに入れて保管するとともに、割ってから1〜2週間以内に使用するようにしてください。

フォーゼストの効果を実感できるようになる時間は、服用後おおむね3〜4時間後ですから、性交の3時間前には服用しておきましょう。
フォーゼスト20mgでは約36時間の効果があります。
有効時間が長いですから、余裕をもって服用する方が良いでしょう。
食事の影響はED治療薬の中では最も受けにくいですが、空腹時に水と服用する方が効果は高くなる傾向がります。
食後に服用する場合には、あっさり目の食事で腹7分目に抑える方が良いでしょう。
また適度なアルコールはリラックス効果をもたらすので良いのですが、フォーゼストを服用することで通常より酔いが回りやすくなります。
またアルコールの飲みすぎがEDの原因となることも頭に入れておきましょう。
フォーゼストの服用は1日1回、他のED治療薬を含めて24時間以上の間隔を必ず空けてください。
次に当てはまる人はフォーゼストの服用は避けてください。
フォーゼスト(タダラフィル)を過去に服用してアレルギーを起こしたことがある人。
心筋梗塞や動脈硬化など心臓や血管に病状があり、性行為を行うこと自体を避ける方が良い人。
不安定狭心症があるか、今までに性行中に狭心症を起こしたことがある人。
3ヶ月以内に心筋梗塞を起こした人。
6ヶ月以内に脳梗塞・脳出血を起こした人。
不整脈の人。
重度の肝障害がある人。
血圧の上が90mmHg未満または下が50mmH未満の低血圧の人。
血圧の上が170mmhg以上または下が100mmHg以上の高血圧の人。
網膜色素変性症(進行性の夜盲・とり目)の人。

フォーゼストの有効成分タダラフィルは副作用の出現も比較的少なく、安全で使用しやすいED薬です。
また世界各国において臨床試験が行われ、その安全性が確保されているお薬です。
用法や用量を守って使用すれば安全にお使いいただけるお薬です。